千葉県松戸市常盤平にある「クリーニング五香 本店」。
今年で創業59年。初代から受け継がれ、現在は3代目が店を守る地域のクリーニング店です。
以前は近隣のお客様を中心とした「街のクリーニング店」という色合いが強かったそうですが、現在は松戸市内だけでなく、千葉県船橋市や埼玉県三郷市などから車で訪れるお客様もいるといいます。
シミ抜き、おしゃれ着、高級ブランド品、そして「他店で断られてしまった」という衣類まで。
クリーニング五香が大切にしているのは、最初から「できません」で終わらせるのではなく、まず話を聞き、品物を見て、お客様と一緒に方法を考えること。
取材で見えてきたのは、59年という歴史だけではなく、「相談しやすさ」を大切にしてきたお店の姿でした。

父が始めた店を受け継ぎ、現在は3代目
クリーニング五香の創業は今から59年前。
初代は、現在の3代目のお父様です。
3代目自身は、もともと会社員として働いていました。その後、実家のクリーニング店を手伝うようになり、家業の道へ。
当時は、自分で仕事をする「自営業」という働き方にも魅力を感じていたそうです。
そして現在、3代目としてクリーニング五香を受け継いでいます。
59年の間には、クリーニングを取り巻く環境も、お客様がお店を探す方法も変わりました。
かつては近所のお客様を中心とした地域密着型のお店でしたが、現在は船橋市や県外の三郷市などから訪れるお客様も。
本店には1台分の駐車場があり、車で来店することもできます。

女性スタッフがつくる、相談しやすい店
クリーニング五香では、女性スタッフが中心となってお店を支えています。
3代目が話してくれたのは、
「女性ばかりなので、柔らかさや親しみやすさはあると思います」
ということ。
しかし、街クリが取材して特に印象に残ったのは、単に「女性スタッフが多い」ということではありませんでした。
スタッフ同士で情報を共有し、誰が受付を担当しても、お客様の話がきちんと伝わっている状態を大切にしていることです。
目指しているのは、
「わかっています。お待ちしていました」
と、誰でも言える店。
特定のスタッフしか事情を知らないのではなく、みんなでフォローする。
3代目はそれを「風通しよく」と表現していました。
スタッフ同士の雰囲気は、お客様にも自然と伝わるもの。
実際に、
「あの人はいないの?」
「あの人と話したかった」
と、スタッフとの会話を楽しみに来店するお客様もいるそうです。

「あ、またこの服が来た」服でわかる常連さん
3代目自身は、主に受付ではなくクリーニング作業を担当しています。
そんな仕事中、ときどきこんなことがあるそうです。
「あ、またこの服が来た!」
名前を見る前に、衣類を見ただけで以前扱った品物だと気づく。
長くクリーニング店を続けているからこその「再会」です。
再び預けてもらった衣類を見ながら、
「もうちょっとでも長く着てもらえたら」
そんな気持ちで仕事をしていると話してくれました。
お客様から、とても丁寧なお礼の手紙をいただくこともあります。
「こんなにやってくれて、この値段でありがとう」
そう言ってもらえることも、仕事を続ける喜びのひとつです。


街クリ視点|59年続いた店にある「輪」
今回、3代目に「仕事で大切にしていること」を聞いたとき、返ってきた言葉が印象的でした。
「輪をもつこと」
どんな人たちと一緒に仕事をするのか。
スタッフ同士に裏表がなく、風通しよく仕事ができること。
そして、誰がお客様を迎えても同じように対応できること。
59年という数字だけを見れば「老舗」という言葉で説明できます。
けれど、お店が長く続く理由は、年数だけでは分かりません。
衣類をきれいにする技術があり、そこに働く人がいて、お客様との関係が続いていく。
「あの人と話したかった」と言ってもらえる受付があり、「またこの服が来た」と気づく人が作業場にいる。
クリーニング五香は、人と衣類の両方との関係を積み重ねてきたお店なのだと感じました。
シミ抜きも「まずは一度、見せてください」
クリーニング五香には、日常的な汚れだけでなく、シミ抜きについての相談も寄せられます。
中には、
「ほかのクリーニング店で断られてしまった」
「自宅でやってみたけれど、うまくいかなかった」
という品物が持ち込まれることもあります。
そんなとき、クリーニング五香が大切にしているのが、最初から「できません」で終わらせないこと。
店にはクリーニング師が在籍しており、まずは品物を見て、状態を確認します。
もちろん、すべてのシミや衣類に対応できるわけではありません。
できること、難しいこと、考えられる方法を説明したうえで、お客様自身に選んでもらう。
「分からないから断る」のではなく、まず一度聞いてみる、見てみる。
そんな柔軟な対応を心がけています。


洋服が好きな人、大切な一着を任せたい人へ
クリーニング五香には、洋服が好きな方や、衣類にこだわりを持つお客様も多いそうです。
高級ブランド品やダウンウェアなど、「どこへ出そうか迷う」という衣類の相談もあります。
高価だから大切なのではなく、
長く着てきたから。
お気に入りだから。
思い入れがあるから。
クリーニング店に持ち込まれる衣類には、それぞれ違った「大切にしたい理由」があります。
クリーニング五香では、高級ダウンウェアなどを対象とした専用コースも用意しています。
品物の状態や素材などによって対応は異なるため、心配な衣類は受付時に相談してみてください。

関連記事:大切な服を任せるクリーニング店の選び方
希望に合わせて選べる「EMクリーニング」
クリーニング五香は、EMクリーニング研究会の加盟店です。
取り組みを始めた背景には、3代目自身が以前からオーガニックなどに関心を持っていたこともあったそうです。
ただし、すべてのお客様の衣類を一律にEMクリーニングで扱っているわけではありません。
希望する方から相談を受け、それぞれに合わせて対応しています。
中には肌が敏感で、
「大切な洋服だからクリーニングしたい。でも、クリーニングに出すことそのものが心配」
という方から問い合わせが入ることも。
3代目自身は、
「私は肌が強いから、分からないところもあるんです」
と話していました。
だからこそ意識しているのが、「その人の気持ちになること」。
自分にとっては気にならないことでも、その人にとっては大きな不安かもしれない。
話を聞きながら、その人が何を心配しているのかを考えて対応しています。

衣類以外の「これ、洗える?」にも
クリーニング店へ持っていくものといえば、ワイシャツやスーツ、コートを思い浮かべる方が多いかもしれません。
クリーニング五香では、それ以外にもさまざまな相談を受けています。
着物や絨毯、衣類のリフォーム。
さらに、チャイルドシートやベビーカー、ベビーシートなどのクリーニングにも対応しています。
取材中、3代目は自身のお店について、
「広く浅く(笑)」
と話していました。
なんとも控えめな表現ですが、利用する側にとってありがたいのは、対応品目の多さ以上に、
「これってクリーニング屋さんに相談していいの?」
と思ったときに、まず聞ける場所があることかもしれません。
品物や素材、状態によって対応できる内容は異なります。
困ったものがあれば、処分してしまう前に一度相談してみるのもよさそうです。

関連記事:クリーニング店にはどこまで相談できる?困ったときこそプロに聞いてみよう
街クリ視点|「できる店」ではなく「相談できる店」
今回、クリーニング五香を取材していて何度も出てきたのが、
「まず聞く」
という姿勢でした。
他店で断られた衣類。
自宅で処置してうまくいかなかったシミ。
肌が敏感でクリーニングに不安がある方。
高級ブランド品。
そして、「そもそもクリーニングできるの?」という品物まで。
もちろん、相談すれば何でもできるという意味ではありません。
衣類の素材や状態によっては、できないこともあります。
それでも、品物を見ないまま終わらせるのではなく、まず話を聞き、できることと難しいことを説明する。
そのうえで、お客様自身に選んでもらう。
そしてもう一つ印象に残ったのが、店の中の人間関係でした。
スタッフ同士で情報を共有し、
「わかっています。お待ちしていました」
と、誰が受付しても言えるようにする。
作業場では、以前扱った衣類を見て、
「あ、またこの服が来た!」
と気づく人がいる。
59年という歴史は、ただ同じ場所で長く営業してきたという数字だけではありません。
人から人へ仕事が受け継がれ、スタッフからスタッフへ情報がつながり、お客様の衣類が何度も戻ってくる。
3代目が話してくれた「輪をもつ」という言葉は、そんなクリーニング五香らしさを表しているように感じました。
料金について
クリーニング料金は、衣類の種類・素材・ブランド・加工内容・状態などによって異なります。
高級ダウン、シミ抜き、特殊品、EMクリーニングなどについては、店頭でご確認ください。
また、クリーニング五香ではベビーカーやチャイルドシートなど、一般衣類以外の相談にも対応しています。
大切な品物や特殊な衣類は、受付時に状態や希望を伝えて相談することをおすすめします。
※掲載している料金・サービス内容は取材時点の情報です。最新情報は店舗へ直接ご確認ください。
店舗情報
店舗名
クリーニング五香 本店
住所
〒270-2261
千葉県松戸市常盤平5-17-28
電話番号
047-385-7022
営業時間
9:00〜19:00
定休日
金曜日
駐車場
1台
※営業時間・定休日・サービス内容等は変更される場合があります。来店前に店舗へご確認ください。